Hystoric Glamour ミツキの私情価値 vol.3
ヒステリックグラマーの
パイルデニムジャケット&パイルペインターパンツ
ミツキのどう着こなすの?解説
セットアップで合わせて
トラディショナルな
アメカジもフレッシュ!
近頃、巷ではスウェットのセットアップスタイルが人気を博していますが、スウェットライクなパイルデニムのセットアップスタイル。パーカをINすれば、ベリーアメリカンなスタイルに。スニーカーで色を差すのがポイント。
見た目はGジャンだけど
何か印象が違うのは
パイルデニムの力
ネルシャツにカジュアルスラックスのスタイルにON!Gジャンに比べて立体的でソフトなイメージを作り出し、王道のアメカジスタイルを品よくまとめてくれる。足元はスニーカーでなくブーツにすれば大人っぽさも増強♪
ハードなレザースタイルも
パイルデニムでアク抜き
レザーブルゾンにパイルデニムのペインター合わせ。レザーにデニムを合わせるとtoo muchも否めないが、素材のソフトな印象がスウェットパンツを合わせたかのよう。抜け感のあるフレッシュなスタイルに!
Begin ファンベースラボ/ ディレクター
ミツキ
1977年生まれ。ワールドフォトプレス『monoMagazine』編集部を経て2006年に世界文化社(現・世界文化ホールディングス)入社。以来『Begin』一筋で主にファッションを担当。2017年~2021年まで同誌編集長を務める。現在はメディアをまたいで新規事業開発に注力。“中坊マインド” を座右の銘に、既存の出版ビジネスを超えた制作チーム「ファンベースラボ」を率いるディレクターとして奮闘中。
ミツキのどこがイイの?買い説
痒いところに手が届く
名素材が生んだ
シン・スタンダード
服好きはとにかく素材にこだわる、そんな傾向がある。ミツキもモノと対峙したら、まずは“触診”(笑)。手のひらでの感触や着用したときの肌触り……重要なモノ選びのファクターだ。で、いい素材っていうのは2通りあって、デニムやレザーのように“纏う”いう歴史的背景から生まれたもの。そして、シエラデザインズの60/40、通称ロクヨンや、チャンピオンのリバースウィーブのように、ブランドが独自に開発したものという具合に。
前者は、作り手が創意工夫したものは数あれど、後者、いわゆる名素材の元祖を思い返してみてもなかなか見つからない……そう、ブランドが独自に開発した素材って“意外と”少ないんだよね~。そんな状況下、HYSにはファブリックの名産地へ赴き、独自開発した素材が数多く存在するってことも、これまた“意外と”知られていない事実。王室御用達やらなんちゃら~な、上質を担保する売り文句もいいんですがね、何より“そうきたか‼”てな、膝を打つ&実のある“+α”を体感させてくれる……それこそが“いい素材”に求めるミツキの私情価値なのだ。
100字で語る
パイルデニムとは
「デニムの産地、岡山・児島にてHYSが独自に開発したファブリック。わかりやすくいえば“デニム+タオル”といったところ。インディゴ染めしたパイル地の素材で、着れば着るほどデニム同様にフェード感が楽しめる。」
というわけで、数あるHYS独自のファブリックがある中、ミツキが膝を打ったのが、今回買い説する“パイルデニム”だ。「デニムのような不変的な素材をもっと着やすくしたかった」というのは企画担当者の弁。もう10年くらい前になるのかな~、産地である岡山・児島にミツキも同行し工場へ潜入したのだけれど、前述した企画者の“デニムを着やすく”を解決するアイデアが、“デニムとタオルを合体~♪”という発想になるとは‼ 素材はデニムさながら織機で織られ、その表情もまさにデニムさながら。タテ糸にはロープ染色した糸を使っているから、着込むほどに本格的な経年変化を楽しめちゃうのも◎です。ホント、裏面を見ないと&触ってみないとパイル地だなんて見た目じゃーわからない、隠れ巨乳的ファブリック(笑)。HYSが独自に生み出し“パイルデニム”とネーミングした唯一無二の素材なんであります。
で、カタチは、といえば、カウボーイの防寒着として生まれたランチコートがベース。ランチコートのボアをタオル地に転換し、ふっくらとしながら肌触りよく、春先でも心地よい素材感に。海&プールから上がってタオルに包まれる感覚を想像すれば、いかに心地いいかは言わずもがな。カーディガンライクで、秋にそして冬はコートのインナーに、真夏以外3シーズン使えちゃうってのもいいんだよな~。GジャンよりSOFTでランチコートよりLIGHT!“不変的な素材をもっと着やすく”という作り手の想いが、ずっと変わらないモノを新しいスタンダードへと変えてくれたのです。シンプルなのに心を惹きつけるのは、そんな素材開発から丹念に仕上げられたモノだからでしょう。短いサイクルで廃れてしまう、流行モノに飛びつく癖がある方にこそ長~く愛して欲しい“シン・ベーシック”。この“HYSのトリセツ”のテーマで「鮮烈なグラフィックの裏側にある“モノの良さ”」を語るに相応しい、奥の深い一着なんであります。
ご覧のように
裏をみばれふわふわで
心地よいパイル地
もうひとつ特筆すべきは、なぜ着やすくするのにパイル地でなければならなかったのか……柔らか~い素材といえば、まずスウェットが頭に浮かびますが、スウェットの裏毛は編み物。柔らかすぎてジャケットやペインターの肘や膝が出やすくなってしまう。そんな難を解消すべく織物であるパイル地を選択。肘や膝がビヨヨーンとならない、しっかり感も実現しているのだ。
オリジナルの
スナップボタンも
Gジャンさながら
HYSのアイテムは素材はもちろん、ボタンやジッパーなどのいわゆる“付属”にもこだわっているのが特徴。そのほとんどがオリジナルで、経年変化の加工やグラフィックに至るまで丹念に作り込まれている。また、表地はスウェットライクな柔らかさなのに、ロープ染色のタテ糸の色落ちがとてもリアル。そんな加工技術もHYSのアイテムの真骨頂だ。