Hystoric Glamour ミツキの私情価値 vol.5

ヒステリックグラマーがもっと好きになる

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Hystoric Glamour ミツキの私情価値 〜HYSのトリセツ〜

ヒステリックグラマーの
ファティーグジャケット

ミツキのどこがイイの?買い説

ベーシック好きが躊躇なく
ジャケット代わりに羽織れる、それがミリタリー

長らくファッション業界に携わってきて“お洒落な人”に共通して見られる点。それは“着崩し上手”ということ。わかりやすく例えるならば、キレイめのスラックスにスニーカー、テーラードジャケットにデニム……といった具合に。ドレスとカジュアル、違うテイストのアイテムをミックスし、それをスタイルとして調和させる、そんな“こなし方”がとっても上手。着こなし上手は着崩し上手なんであーる。で、同時にそんな“着崩し上手”を可能にするアイテムというのが、ミリタリー。もちろんNO WAR!精神ですがね、着こなしをハッピーにする、ファッションにおいての価値は不変。機能的であり、説得力があり、色褪せない魅力がある。誰でも羽織るだけでいい。たとえば……ONタイムの“ジャケット+スラックス”というスタイル。週末はジャケット代わりにミリタリージャケットを羽織ってみよう。それだけで“着崩し上手”、誰もが“着こなし上手”になれるのだ。
とはいえ、自分のサイズにピッタリ&極美USEDで、向こう10年長~く愛せる1着に出合うってのは至難の業。だけど、HYSには毎シーズン、新品のミリタリージャケットが揃っている。しかも、ホンモノより本物感があって、枯渇ぎみな古着やデッドストックを、血眼になって探す手間を省いてくれる出来。あまりガキっぽくはなりたくないが、かしこまったコンサバ服には反骨がある。定番原理主義でありながら、ピーターパン症候群な自分にはピッタリ。いい大人になった今でも洋服を楽しんでいたヤンチャな中坊マインドを取り戻せる1着。それこそがミリタリージャケットに求めるミツキの私情価値なのだ。

100字で語る
ジャングルファティーグとは

「1960年~1970年代にかけて、亜熱帯用に開発された軽量で速乾性のある米軍のフィールドジャケット。正式名称はコンバットトロピカルコート。
ベトナム戦争時に使用され、手を入れやすいように配置された斜めのポケットが特徴ディテールだ」

というわけで、毎シーズン展開されるHYSのミリタリーアイテム。今まで20年あまりコレクションを見続けてきたけれど、HYSのミリタリーは変化球が多い。というのも、英国の特殊部隊SASにはじまりカナダ、北欧……etc.と、機能的なディテールや特徴的なデザインを編集し、米軍のポピュラーなアイテム以外の名作をピックアップするから。作り手がミリタリーに精通しHYSのデザインワークを交えて創作する。「えっ、そんなミリタリーのモデルもあったんですね」と勉強になることが多いのだ。翻って、今期ミツキがブッ刺さったのが、この「ファティーグジャケット」。モッズパーカでお馴染みM-51やM-65ジャケットに並ぶ、米軍フィールドジャケットにおける名作だ。前面に配置されたポケットは、多くのアウター&ブルゾンのデザインに影響を与えた、まさに機能が生んだデザイン。その完成された表情はミリタリー初心者でも取り入れやすい1着であると言えます。んで、そんな名作ジャケットでも学ばせてくれるのがHYSの真骨頂だ。1st~4thまでモデルが存在する中で、エポレット(肩章)が省略された3rd型がベース。亜熱帯用に開発されたため、3rd型まではコットンポプリン、4th型からはリップストップコットンと軽くて速乾性ある素材が採用された。が、HYSのジャングルファティーグにはB‐9やB-10に採用されたモールスキンをON!そう、フィールドジャケットの“名作”にフライトジャケットの“名素材”を掛け合わせた希少種になっているんです! でもね、厚みのある綿素材モールスキンもオリジナルで開発。紡績(糸)の段階から軽量な細番手のコーマ糸を使い、丈夫だけど軽い!という相反する要素を見事に実現~と、ジャングルファティーグが持つ本来の軽さは担保しつつも、重厚感ある表情を作りあげる。という具合に、これまたいろんなミリタリーについての学びをくれるんだよね~。そんな服好きにはたまらんクリエイションで仕上げたジャングルファティーグは、まさに向こう10年、クローゼット息づくベーシック。そこにモッズやヒッピーのカルチャーが生んだミリタリージャケットをカスタム~って、ワッペンを凝視してみれば、わかってる人が見ればわかる、懐かしの90sのパロディワッペンが復刻されているではないですか~‼デニムにスタプレにアメカジの基本パンツに合わせるもよし、スラックスにさらりと羽織るのもGOOD!これまたわかってる人が見ればわかる、伝説のロックバンドの~パロディを背に、清く、正しく、ヤンチャに、週末ファッションを楽しみたくなる!1着なんであります。

モータースポーツを
倣ったHYSの90sワッペン
懐かしの復刻!

ミツキ的には見た瞬間に懐かし~‼と甘酸っぱい気分になった復刻ワッペンでカスタム。レーシングオイルのS●P?ガソリンスタンド●HELL?と、HYSらしいパロディが粋だ。ボディのモールスキンも軽量ながらもっちり&しっとり♡ 程よいユーズド加工も◎。

前面に配置された
斜めポケットって
なんのためなの?

匍匐前進のときでも、手を入れやすいように斜めに付けられた、というのがその理由。1st ~4thまでモデルがある中で1stはフロントのポケットボタンが剥き出し、2ndは隠しフラップボタン、そして今回ベースとなった3rdはエポレットが省略、とそれぞれ特徴がある。

ミツキのどう着こなすの?解説

大人っぽくブラックパンツに合わせて
品格アメカジを楽しんでみる!

ミリタリーといえばのオリーブカラーを拾って、グリーン基調のチェックシャツをIN。パンツはキレイめのブーツカットでブーツを合わせてみよう。ハードながらも、チェック柄を取り入れることで正統感あるスタイルが完成。ガキっぽさ皆無のアメカジが完成する。

ブラックミリタリーを
スポーツテイストで取り入れてみる!

ナイロンのコーチジャケットを羽織る感覚で、ブラックのファティーグジャケットを。ワッペンのポップなアイコンをプリントTシャツ&トラッカーで拾って、ワークパンツで今どきワーク&ミリタリー。足元は重くなりすぎないように白スニーカーで軽快感を出そう。

デニムには総柄モデルが乙!
どアメカジにならない不思議なパワー

こちらもHYSが90sにリリースした“ROCK CITY”柄の総柄をON!デニムに合わせパーカのプリント、INするTシャツ&スニーカーで“HELL”ワッペンのイエローを差し色に。デニムのブルーとも好相性だ。ベーシックすぎるアイテム合わせなのにフレッシュ!

ITEM INFORMATION

ファティーグジャケット

5万9400円(税込)

Begin ファンベースラボ/ ディレクター
ミツキ

1977年生まれ。ワールドフォトプレス『monoMagazine』編集部を経て2006年に世界文化社(現・世界文化ホールディングス)入社。以来『Begin』一筋で主にファッションを担当。2017年~2021年まで同誌編集長を務める。現在はメディアをまたいで新規事業開発に注力。

“中坊マインド” を座右の銘に、既存の出版ビジネスを超えた制作チーム「ファンベースラボ」を率いるディレクターとして奮闘中。