Hystoric Glamour ミツキの私情価値 vol.4

ヒステリックグラマーがもっと好きになる

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Hystoric Glamour ミツキの私情価値 〜HYSのトリセツ〜

ヒステリックグラマーの
ショールカーディガン

ミツキのどこがイイの?買い説

HYSだからこそできる
カルチャーとベーシックのマリアージュ

何年か前、『フランス人は10着しか服を持たない』というベストセラー本がありましたが、それに倣えば、ジャケット、トラディショナルなコート、BDシャツにTシャツ、軍パンにスラックス、デニムにチノパンにニットにカーディガン……日々暮らしに必要なアイテムを10着挙げてみたけれど、エッセンシャルなワードローブには必ず“カーディガン” ってあるよね。でもね、そんなニットを含めたカーディガンを選ぶときって、何だか他のアイテムに比べて決め手に欠ける。ブランドでいえば、ジョンスメドレーにジャーミンソンズにカナタ…… etc. カタチがシンプルなだけに、シーアイランドコットンに伝統柄とかシャギードッグとか、ボディの素材価値オンリーになってしまいがちなんだよね。もちろん、それはそれでいいんだけど、裏側にあるストーリーが感じ取れる部分がやや少なくてね、必要なアイテムなんだけど、イマイチ選ぶときに“グッと” 来ない……たかがニット、されどニット。着心地を左右する素材の良さは大前提。そこにカルチャーやヒストリーなど+αが見え隠れすると、途端に“グッと”来る!そんな気持ちにさせてくれるモノこそ、ニットに求めるミツキの私情価値なのだ。

100字で語る
ショールカーディガンとは

「その名の通り、SHAWL、肩掛けするような衿がついたカーディガンのこと。形状からヘチマ衿とも呼ぶ。スタジャンのルーツとも言われ、もとはネイティブアメリカンと白人との交易ブランケットにボタンを付けたモノが発祥とも。」

というわけで、今シーズンニットの中で“グッと” 来たのが、このショールカーディガン。見た目“フツーにいい” だけに何がそんなに??って方も多いことでしょう。もう何シーズンくらい前になるかな~、HYSのニットで“グッと” 来たものがあってね、写真上のブラック×レッドのツートーンのニットなんだけれど、THE CLASHのジョー・ストラマーが着用していたモノが元ネタ。画像はモノクロですからね、そこはHYS流のクリエイティブでカラーを決め、上質なカシミアで仕上げる。そんな音楽とカルチャーをベースにした何ともHYS的な“復刻手法”に心躍らせ、不変的で程よく鮮烈なニットを今シーズンもヘビロテしています。という具合に、HYSにはそんなカルチャーが垣間見えるニットが、実は存在する。このショールカーデもそう。いわゆる“アメカジ”のアイテムの中でも歴史的に古く、1900年初頭に端を発するショールカーデ。防寒着として生まれ、その後アイビーリーグやミリタリーウェア、メジャーリーグに至るまで、幅広く用いられたスポーツウェアの祖と言ってもいい。ちなみに今回紹介するカーディガンのツートーンカラーはいわゆるチームカラーを示すもので、ヴィンテージでよくみられるレタードのワッペンが生まれる以前、チームを色分けで区別するために採用された古き良きディテールなのだ。そんなベーシックアイテムに、30sの米国で生まれたカスタムカーのジャンル、ホッドロッドチームのユニフォームに見られるチェッカー柄をバックに、そして、胸元にはチェーン刺繍をON ! ヴィンテージの仕様をカーディガンへONした1着なんです。カーディガンといえば、カート・コバーンがMTV アンプラグドで着用した1着がオークションで死ぬほど高値が付いた……なーんて事象もありましたがね、この1着は、実のあるプレミアムなベーシック。週末、ジャケット代わりに羽織れば、ツートンカラー&背面のグラフィックが程よ~く“他との違い” を主張。ファッションカルチャーを出自とした硬派な装飾が、いつものスタイルに華を添え&所有感をも満たしてくれます。最後に、素材はHYSが糸から特注したスぺシャルファブリックで、ふっくらとした肉厚感があるのにすこぶる軽い~♪てな着用感もお伝えしつつ、カルチャーとベーシック、その両面を知り尽くしているからこそできる、HYSのフィロソフィーを体現した1着であると言えます。

背面には
チェッカーフラッグ柄を
刺繍にしてON!

背面には米国で1930年代に生まれた、カスタムカーのジャンル、ホッドロッドをイメージし、HYSガール風にアレンジした柄を。
モータースポーツの要素をベーシックなカーディガンに転用するアイデアが粋だ。

胸元に施された
チェーン刺繍も
ヴィンテージ仕様

左胸には50sのボウリングシャツなどにみられる“チェーン刺繍”でHYSTERICの文字が。細かい部分だが、服好き、ヴィンテージ好きからみれば垂涎のディテール。古き良きディテールを古き良き仕様でアイコニックに表現する手法はHYSの真骨頂ともいえる。

ミツキのどう着こなすの?解説

ベーシックなBDに合わせて
究極の“フツーにカッコイイ” スタイル

ショールカーデと双璧をなす定番、BDシャツをIN。単色でなくピンストライプを選べば、ベーシックなアイテムの組み合わせもシックに大人っぽくキマる。ボトムズもブラックトーンで統一すれば洗練されたアメカジが完成♪

フェード感あるレッドは
スタイルのポイントとして一点差し

ホワイトデニムに合わせてコントラストを生かそう。INするTシャツもプリントでレッドの色を拾った、ブラック×レッドのツートーンで合わせてあげるとご覧の通り。肩肘張らずに、どこかしっかりなリラックススタイルに♪

ネルシャツ×軍パンの王道スタイルも
ショールカーデで引き締まる

着慣れた&見慣れた王道スタイルにONしてみましょう。紺ブレを羽織るのもいいですが、それよりもカジュアルながらも、ショールカラーのしっかり感が大人っぽく仕上げます。ガキ臭さ皆無、流行とは無縁の鉄板コーデが完成♪

ITEM INFORMATION

ショールカーディガン

4万4000円(税込)

Begin ファンベースラボ/ ディレクター
ミツキ

1977年生まれ。ワールドフォトプレス『monoMagazine』編集部を経て2006年に世界文化社(現・世界文化ホールディングス)入社。以来『Begin』一筋で主にファッションを担当。2017年~2021年まで同誌編集長を務める。現在はメディアをまたいで新規事業開発に注力。

“中坊マインド” を座右の銘に、既存の出版ビジネスを超えた制作チーム「ファンベースラボ」を率いるディレクターとして奮闘中。