Hystoric Glamour ミツキの私情価値 vol.11

ヒステリックグラマーがもっと好きになる

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Hystoric Glamour ミツキの私情価値 〜HYSのトリセツ〜

ヒステリックグラマーの
SNAKELOOPスタンドカラージャケット

ミツキのどこがイイの?買い説

2020年代のトレンド?!
90sリバイバルにY2K

何だか巷では“Y2K”なんてこの時代のモノコトがブームのようですが、“復刻”という言葉に滅法弱い……グレゴリーの旧タグにニューバランスの1300か……モノ好きはそのたびに心を躍らせアドレナリン全開になっちゃう(笑)。HYSもあの泣く子も黙る90sのショッパーデザインがカタチを変えてリバイバルが記憶に新しいとこですよね。
2024年でブランド創立40周年を迎えるHYSにはさまざまなアーカイブが存在する。2000年直前、明治通りに長蛇の列を作ったカシオデータバンクから最近ではシュプリームとのコラボ作など~etc.……挙げればキリがないくらい膨大なHITを生みレジェンド名作を生んできました。で、先述したショッパーデザインはわかりやすい例ですが、実はHYSには90sにヒットした名作やグラフィックなどリバイバルがコレクションの中にいくつか存在するのだ。その時代に生きたミツキとしては懐かし~!今リアルにそのモノに対峙する人間はフレッシュ~!といった具合に、捉え方が異なる世代間をくっつけちゃうパワーが“復刻”にはあるんだよね~♪
ということで、今回の買い説するネタは、そんなリバイバルなジャケット。しかも、HYSがいち早く取り入れ、今やポピュラーとなった名素材との合作! 名グラフィックと名ファブリックが一体となった、まさにミツキの私情価値を体現する一着なのだ。

私情価値も市場価値も
どちらも高い一着なのだ

先述したように、これまで数々のHIT作を生み出してきたHYSだが、その源泉となる“デザイナー北村信彦”が生み出したグラフィックもまた膨大だ。いつも呼んでいるように“ノブさん”と書かせてもらおうかな。最近、といってももう3年くらい前になるけれど、ミツキがHYS以外で印象的だったノブさんのデザインといえば、写真下の京都『ACE HOTEL』 のエレベータホールのグラフィックかな~。

そのデザイン力はもはやアパレル超えて評価される、ニッポンを代表するデザイナーの一人だ。で、もうひと方、そんなグラフィックのキャンバスとなるプロダクトを企画してきた方がいる。非常に照れ屋さんなので、名前は伏せて“Mr.X”と称しておきましょうかね(笑)。ブランド創立から今日まで、ノブさんとMr.X、二人三脚で現在のHYSの礎を築いてきたわけなのだ。
そんな二人に20年以上ずっとお世話になっているミツキが、めちゃくちゃいいじゃーん‼とブッ刺さってしまったのがこのアウター。90sにHITしたノブさんの‟SNAKELOOP柄”と90sにいち早くMr.Xが取り入れたハイテクの中綿、“プリマロフト”とのコンビネーションだ。今や店頭でよく見かけるようになったこの“プリマロフト”だが、HYSは本格アウトドアブランドに次いで90sからコレクションに初採用、それはアパレル業界で初めてのことで、以来、HYSのアウターコレクションには必ずラインナップされています。
近頃、ニューバランスやコンバース、レッドウィングにクラークスなど、定番シューズの“ゴアテックス化”が進んでいますが、アウターもこの“プリマロフト化”が進行中。ミリタリーが発祥で高機能中綿のKINGというべきこの素材は、ダウンより軽量で温かくて、インナーはサーマル一枚でいいくらいの保温力を発揮するため、こぞってさまざまなブランドが採用しているわけですが、そんな高機能素材を20年以上前から着目していた事実からも、HYSの素材に対する先見の明が窺い知れますよね。
しかも、今期の素材は『プリマロフト インサレーションハイロフト ウルトラ』と呼ばれる“中綿”→“シート状”に改良された新素材を使っているので、MORE!軽くなって保温性はしっかり担保、てな。うれしいアップデートをしている点も◎です♪まるでカーディガンを羽織っているかのような軽快感で真冬もOK!もう“これさえれば”と思わせる使い勝手の良さはオスミツキです。そこにHYSのレジェンド柄をONして程よく主張~、無地はシンプルでいいけど、何か物足りなくて……な欲求にもバッチリ応えてくれますしね。
ちなみにこの柄、90sはデニムに施していたことでHITしたんですが、今期レディースではそのデニムもリバイバルし展開しています。が、なぜ、この柄に今また注目が集まったの?といえば、アメリカからの逆輸入!近年HYSのヴィンテージウェアがアメリカで人気を博し、SNSなどインフルエンサーを通じて日本のZ世代に波及~!世のファッション好きの“欲求”を受けてリバイバルと相成ったわけです。
そんな経緯から生まれた、高機能アウターにアートピースを添えた一着はミツキ的に敬意を表したい名作。だって、二人の英知が結実したHYSの根幹を成す一着なんですから~。ということで、私情価値の高すぎるこのジャケットですが、この記事をご覧になるHYSファンにとっても、ファッションスキルを備えた市場価値の高すぎる一着といえるでしょうね。来年でHYSも40周年、これからも尊敬するこのお二方の背中を見て、HYSの伝道師として編集稼業に励んでいこうと再認識、先日たまたま押さえた写真とともに、ほのぼのと締めくくりたいと思います~(笑)。

100字で語る
プリマロフトとは

「アメリカのアルバニー社が開発したハイテク中綿。水に強く薄くて軽量ながら、ダウン並みの保温力を誇る。スペースシャトルが大気圏に突入する際に熱から機体を守る、スーパー素材を開発することでも知られる実力派メーカーだ」

高機能アウターにアートピースをON
これぞ真骨頂♪

単なるベーシックアウターにとどまらない、HYSの十八番テク。堅牢なナイロンながらストレッチが効くという素材の中にプリマロフトのシートをIN。 防風性と撥水性にも優れ、パーフェクトな機能を備えている。

アパレルでの採用はHYSが初!の
スーパー中綿

20年以上前から、ミリタリーや本格アウトドアのウェアに採用。近年ではダウンをブレンドした“プリマロフトダウン”も話題に。またシート状になり、さらに軽量になった新素材が登場するなど高機能中綿のKINGというべき存在。

アウトドアウェア顔負けの
機能性を誇る

ミリタリー、ワーク、そしてアウトドア……ベーシックウェアを独自の手法で昇華させるHYS。高機能アウターに関しても、ドローコードやライニングの素材など、すべてオリジナルにて開発、専業ブランドに劣らずの仕様に。

ミツキのどう着こなすの?解説

ロンTの上に羽織るだけ~の
スラウチな着こなし♪

保温性がとにかく高いので、INはTシャツ一枚で十二分。ベージュのチノパンに合わせて、というのは常套コーデですが、ちょっと濃色のブラウンを合わせるとより大人っぽく。ブラックスエードのシューズも効く~。

ブラック&ホワイト
コントラストの効いたすっきりトーン♪

手持ちの白パンを合わせてみましょう。よりアウターの柄の存在感がアクセントとなって、単なる白黒コーデと一線を画すスタイルに。プリントTにスニーカーを合わせて、ちょっとヤンチャだけど品のあるコーデが完成♪

ITEM INFORMATION

SNAKELOOPスタンドカラージャケット

7万7000円(税込)

Begin ファンベースラボ/ ディレクター
ミツキ

1977年生まれ。ワールドフォトプレス『monoMagazine』編集部を経て2006年に世界文化社(現・世界文化ホールディングス)入社。以来『Begin』一筋で主にファッションを担当。2017年~2021年まで同誌編集長を務める。現在はメディアをまたいで新規事業開発に注力。

“中坊マインド” を座右の銘に、既存の出版ビジネスを超えた制作チーム「ファンベースラボ」を率いるディレクターとして奮闘中。