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INTERVIEW2022.08.06

俳優・福地展成とフォトグラファー・久野美怜が
H.G.A.S.のために手がけた映像作品。
そこに込めた想いとは。

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HYSTERIC GLAMOURがZ世代に向け発信するH.G.A.S.の第4弾として発表された映像作品『GET ROUND IN THE SEASON』。その監督・クリエイティブディレクターを務めたのが俳優の福地展成だ。東京のローカルコミュニティとそこでのリアルな日常を撮したこの作品の撮影には高校の同級生でもあったフォトグラファーの久野美怜を起用し、出演者にはプライベートでも親交のある渡部蓮やHIMIらをキャスティングしている。そこにはある想いがあり、福地曰く作品のアイディアも以前から温めていたものだったそう。そんな作品をH.G.A.S.で発表することになった経緯や世代間の話、映像公開と同時にスタートする写真展について、福地本人と久野美怜とデザイナーの北村信彦を交えた鼎談でお届けする。

About H.G.A.S.

H.G.A.S.(HYSTERIC GLAMOUR AFTER SCHOOL)はHYSTERIC GLAMOURがZ世代に向け発信するプロジェクト。“アートスクールの放課後”をコンセプトに、音楽、映像、アニメーションなど様々な分野で才能を発揮する若きクリエイターたちのアイディアをファッションと融合して発表している。放課後のくだらない遊びの延長線にあるような、無意味だけどドキドキする実験的なクエリエイティブに挑戦中。

俳優である福地さんが今回発表した映像作品を作ろうと思った切っ掛けを教えてください。

福地展成(※以下、福地):
昨年末に知人が車の古いCM映像を見せてくれて。それが、おそらく90年代後半〜00年代初頭に流れていた僕の愛車と同じ車のCMだったんです。大学ではデザイン科に通い映像制作もしていたので、そのCMにものすごく惹かれました。CM自体は車に乗って友達と遊びにでかけている時間をプライベートムービーのように撮った内容だけど、僕と同じようにこの車を好きな人は、この映像に映るような遊び方や着ている洋服、流れている音楽も含めたこの空気感が好きなんだなって共感ができて。そこに僕自身の生活も楽しくなるヒントがたくさん詰まっていたんです。

久野美怜(※以下、久野):
私はフォトグラファーだけど映像も撮るんです。展成からすぐにかっこいいCMがあるからって言われて見たら、コンパクトカメラのように画質を荒めに撮る自分の映像とそのCMの質感が似ていたんです。シチュエーションも私たちのいつもの遊び方みたいだし、いつかこういうリアルな日常をテーマに作品を作りたいねって話をしました。

そこからどのようにしてH.G.A.S.での発表に繋がっていったのでしょうか?

福地:
実は昨年、そのCM映像を知った同時期くらいにHYSTERIC GLAMOUR(※以下、HYS)のプレスの原口さんに初めてお会いして。その縁で今年に初めて展示会に伺った時にHYSの持つムードに直感で “あ、いけるかもって”なぜか思ったんです。あのCMを見て、自分が作りたかった作品を表現するのにぴったりなブランドだなって。その場で、考えている企画があるので打ち合わせをしたいですって話し、次の週には企画プレゼンを原口さんにさせてもらいました。その時にちょうど後からHYSのプレスルームでノブさんにも初対面できたんですが、今しかない! って思ったから、ノブさんには2分くらいで企画概要を説明しました(笑)。

北村信彦(※以下、北村):
そうそう。HYSでやりたい映像の企画があるんですって言うから、内容を詳しく聞く前にじゃあ、やりなよって(笑)。
福地:
それから4、5ヶ月で一気に制作が進みました。さらに原口さんからHIMIくんや蓮(渡部蓮)くんも(プレスルームに)遊びに来るよって聞いてピンときて。2人とも育った街が一緒でよく知っているから、じゃあ出演してもらおうと。HYSの服を着てドライブする映像を撮りたいんだけど出てくれる? って本人たちに直談判しに行きました。美怜は今、贔屓目じゃなく20代のトップを走っているフォトグラファーだと思っています。高校の頃からの付き合いだし、仕事だけど普段の遊びのような延長線上の空気感を作品のコンセプトに考えている中で、この映像は今、美怜にしか撮れないだろうと。

福地さんの制作への熱意とまさにリアルな仲間と、色々な歯車がタイミングよく合致して生まれた作品なんですね。

北村:
リアルと言う意味では僕は蓮やHIMIの親や周りの大人連中も昔から付き合いがあるし、色々な縁が繋がった感じもあるよね。
それにH.G.A.S.は若い連中が集まってクリエイティブな何かを生み出すことをサポートするプロジェクトで。うちの店やスペースをジャックして交流を深めもらうための体制を作りたくてスタートしたから、しっかりとしたビジョンがあって、このブランドだったら自分のやりたいことがマッチするかもっていう展成の勢いもいいなって。展成たちの世代は子供の頃から親が聴く音楽やカルチャーや人間関係をどこか横目で見て、感性が自然に養われている感じがあるよね。今回の作品の発端になったCMが作られたのも、HYSがブランドとして確立されてきたのも90年代〜00年代。彼らの親とHYSと僕が同世代で、今の若い連中がちょうどその年代に着目しているっていう、このタイミングも面白いと思う。
福地:
僕のやりたいことをHYSが企画にする土壌を作ってくれたと言うか。ノブさんが持つ雰囲気は、初対面でも企画があるんですって言えてしまう気持ちにさせられるパワーを感じました。僕がすごく好きな大人だなって思って、自分が温めていた、とっておきの案を話すっていう(笑)。ローカルコミュニティに近い感覚でHYSというブランドが培ってきたそのスタイルにもとても共感できました。

福地さんと久野さんは、その90年代〜00年代をどう捉えているんですか?

久野:
私たちは家にブラウン管テレビがまだあったり、VHSビデオテープやフィルムカメラで撮られていた世代で。それらがすごく身近でもあり、懐かしくもあり憧れでもあるんです。それを使いこなしている親を見ているので好奇心や興味もあって。みんなが新しいデジタルに移行していく中で、あえてアナログなものに触れていることにかっこよさも感じたり(笑)。
福地:
僕は単純に自分の産まれた年代のことを知りたいというか。産まれた年に公開した『トレインスポッティング』は好きな映画で。劇中で着ている服が気になるな、みたいに好きな映画から真似していって。人から見たら90年代や00年代っぽいって思われるかもしれないけれどお洒落をしているつもりはなくて、だんだん精査され確立して今の僕になっている。似合うものを着ていたいし生活に準じたものを選びたい気持ちの方が強いです。スマホもいいけど自分らしさを大事にして写真表現を突き詰めるとフィルムが僕にはしっくりくるな、とか。どんどん自分らしさが見えてきている。

だから今回の映像作品も……。

展成:
ローカルなキャスティングやロケーションにこだわったのも今の、等身大の自分らしい作品になればいいなって思ったから。映像に写る川原もよく遊びに行く地元の場所です。その上で、HYSの洋服と街、僕らの生活っていうのがどう作用するのかを映像で表現したかった。Y2Kがトレンドになっているけれど、それとは関係なく、たまたま僕が20年前のCMを見た時と同じように、あ、なんかこの感じいいな、自分にも通ずるものがあるなって少しでも思ってくれたら。今の時代には逆光しているように見えるスタイルでも自分たちがかっこいいと感じるものにオマージュを捧げて、残していきたいという気持ちで制作しました。
北村:
僕が80年代や90年代の頃、当時主流だったファッションや音楽に満足できなかった。そこで憧れだった60年代〜70年代を掘り尽くしてそこから見つけたアイデアで服作りしていた。それが今となっては90年代や00年代の代表になっていて。今の子たちが90年代〜00代を掘ってアイディアを見つけていたりするのって、やっぱりどこか今の主流に満足がいかないからだろう。過去から掘り起こす行為はいつの時代にもあるよね。若い連中には新鮮で上の世代にはノスタルジックなイメージのあるものが結果的には残っている。だから、そのCMは観てないけれど今回も展成の企画アイディアを初めて聞いた時に、自分的にもありなんだろうなって。好きなテイストが一緒だったらなんとなく同じ方向に進んでいくなって感覚はあったよね。
久野:
その感覚だけで、こんなに自由にやらせてもらえることってあるんだっていう。ムービーの撮影だけではなくて編集も全て展成と私に任せてくれた。お仕事の時は自分のクリエイティブさを求められているのは理解していても、どうしても枠内に抑えてしまう自分がいたので、こんなに伸び伸びと何でも好きにやっていいよっていうのは本当に初めてかもしれないです。逆に大変さもあったけどその分楽しくてアイディアが尽きなかった。同世代で作品を作る心地よさも再確認できて、どんどん形になっていく過程が面白かったです。

彼らのクリエイティブをノブさんから見て、思うことはありましたか?

 

北村:
なんだろうZ世代の余裕?? ガツガツしていない。僕らが若い頃は上の世代も下の世代も否定していたけど、ここ最近出会う若い子たちは親とも祖父とも遊べて、それぞれの世代をリスペクトしながらいい意味でゆるーくストレスなくやっている感じがするんだよね。
展成:
それは気づかなかったです。僕たちはカルチャーや世代で括ってなくて、ここは好き、とか、誰かと被っても、それいいですねってすぐ受け入れられる。
北村:
ボーダレスなんだね。その感覚は僕らの世代より今の子の方が優れているんじゃないかな。
久野:
確かにこのカルチャーとカルチャーを混ぜたらNGでしょ、みたいなのが正直分からないし、トータルでイケていればいいっていうバイブスで生きている部分もあって。何にも囚われていないから過去をリスペクトして表現しているはずなのに、新しいことをやってるねって逆に言われることがよくあるのはそういうことなのかな。
福地:
好きなものが合えば、世代を超えて面白いことが起きていくっていう感覚があって。今回はHYSを通して特に強く感じました。だから僕はそんな出会いを大切にしてこれからも何かを作りたいなって思います。

映像作品のお披露目と同時開催する写真展についても教えてください。

 

久野:
写真もムービーと同時に撮影していたんですが、写真のセレクトはノブさんと一緒にやりました。だけど、ノブさんのセレクトは現場にいなかったからこそ客観的な視点があって、写真なのにロードムービーっぽさが出ていて面白かった。自分じゃできないような写真の構成がすごく可愛かったし、このまま流れを崩したくなかったので、ほぼそのままで展示しています。
北村:
娘の夏みの課題をちょっと手伝ったって感じだよ。
久野:
ちょっとって軽く言っていますけど、それがとてもよかったです。結果的にほぼ手伝ってもらいました。
福地:
本当、ノブさん最高です!(笑)。

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北村信彦

1962年生まれ。東京モード学園を卒業し、「ヒステリックグラマー」のデザイナーとして活躍。1960年代後半〜80年代前半のカルチャーを中心に、ロックやアートを洋服として表現。ファッションのみならず、森山大道の作品集の発行など、洋服という枠に収まらない表現を行っている。

福地展成

1996年8月10日生まれ。 東京都出身。
俳優。2022 年、コカ・コーラ『綾鷹 ほうじ茶ラテ』TVCM や Short film 『春』などに出 演。長編・短編映画、ドラマ、MV、舞台など活動の幅を広げている。俳優として活動す る一方で、写真家としても精力的に活動。本企画で構想やディレクションを担当し、今後 多方面での活躍が期待される。

久野美怜(SIGNO)

1996年9月生まれ。東京出身。
2022年1月に SIGNO 所属。今年7月には初となる個展を開催した。
初個展「heart sicks -your broken my heart-」

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